花粉を原因とする場合、くしゃみ・鼻水・鼻づまりのみならず、目の充血や涙、かゆみなどを伴います。

その他、下しやすかったり、喉のかゆみや皮膚のかゆみ、熱っぽい感じになる人も。

またハンノキやイネ科に反応する方には、あるフルーツや野菜を口にすると、口の中がかゆくなったり、口内が腫れ上がることもあります。

それらの不調を引き起こし、日常生活に影響を及ぼしますが、全国の20～39歳で花粉によるムズムズを感じたことがある会社員、公務員、自由業の男女を対象とした ある製薬会社が行った調査では、約80以上の方が仕事や婚活などに影響を及ぼすと回答。

中でも多かったのは仕事に影響を及ぼすというもの。

鼻水や鼻づまりにより、何度も鼻をかむために集中力が切れたり、時間のロスが出る。取引先とのやり取りの際に、鼻づまりで伝わりにくい。

3秒に一回くしゃみが出る為、仕事にならなくて会社を早退せざるを得なくなった。常に鼻水や鼻づまり状態が気になり、精神的に情緒不安定になったり、集中が出来ない。

などなど、影響は仕事のパフォーマンスに大きく影響を及ぼしている事がわかります。

また婚活に影響があると答えた女性は、肌荒れや化粧崩れが大きな原因と考えている様です。

異性に鼻水やくしゃみをしている姿など、みっともない姿を見せたくなくて、つい消極的になってしまうという外見のイメージダウンを心配して、なかなか恋愛に積極的になれないという人も。

女性にとっては頻繁に鼻をかむ行為は、悩みの種ですよね。

一方で、在宅ワークや室内業務が多い人、工場勤務の方などの中には、外出が少ない為に影響はかなり薄いという人も。

働き方や恋愛にまで大きく影響を及ぼす花粉によるムズムズ。

誰もがそのリスクを秘めている以上、ますます「事前に防ぐ」という概念は大切になってくるのかもしれません。

体の中で何が起こっているからいろいろな不調が引き起こされるのか？その仕組みについてお話しましょう。

まず、花粉という異物（アレルゲン）が目や鼻から体内に侵入すると、それを受け入れるかどうかを考えます。

そしてリンパ球が花粉は害を及ぼす侵入者と認識した場合、これに対抗するための物質を作ります。

この物質を「IgE抗体」と呼びます。

IgE抗体は、哺乳類のみに存在する糖タンパクで、皮膚や粘膜に多くあるマスト細胞（肥満細胞）の表面に、まるでアンテナのように張りめぐらされます。

IgE抗体 のアンテナに再度、花粉がひっかかり、結合した時にマスト細胞の中にあるヒスタミンなどの化学物質が一気につくられます。

花粉をできる限り体から出そうとして、鼻水や涙が出て防御したり、かゆみなどがあらわれてくるのです。

体を守ろうとする一種の防御反応なのですが、それが過敏に花粉に反応するようになると、ムズムズやかゆみなどを引き起こすのですね。

一般的に遺伝的な体質が主な原因と言われていますが、最近では食生活の変化が問題視されています。

なぜなら、同じ地域ので統計をとっても、こういった不調が見られる人が、お年寄りにとても少ないからです。

インスタント食品等の加工食品や、スナック菓子や外食など、沢山の添加物を含む食事ではなく、昔ながらの和食を食べている人が多い年代であるという事で、食生活は大切だと考えられる様になっています。

またストレスや睡眠不足などの生活習慣も、原因だと言われています。

そう考えると、まさに現代病という事なのでしょうね。

また大気汚染や都市化の影響も大きく関連していると考えられています。

アスファルトの多い都市部では、花粉が土に戻る事なく舞い上がるため、不調になりやすいとも。

花粉によるムズムズが起こりやすい要因として、遺伝要因・環境要因・栄養要因の３つがあるという事です。

春になり、花粉の飛散がニュースで取り上げられる時期に、鼻がグズグズすると
「ついに私も花粉デビュー？」とドキドキする人も多いはず。

いまや誰がなっても、去年まで大丈夫だったとしても、それはおかしくない話だからです。

さて、単なる不調なのか？花粉によるものなのかを見極めてみましょう。あなたはいくつ当てはまりますか？

これらに4つ以上該当する場合、花粉が原因となっている疑いがあります。

ひどくなる前に耳鼻咽喉科を受診してみる事をお勧めします。

そして医師にそうだと言われたら、少なくても生活空間では快適に過ごせるように、体内に花粉を摂りこまない様に様々な工夫をしなければなりません。

処方してもらえれば確かに楽ちんですが、極力頼りたくないもの。

外出時には立体マスクやゴーグルタイプの眼鏡は威力を発揮してくれます。

洗濯物を取り込む時には花粉を掃う様にしたり、窓を開けっぱなしにしない、マスクをしておくなど、なるべく花粉を避ける行動を意識し、悪化を防ぐ様にしましょう。

「事前に防ぐ」という概念から行くと、努力出来る部分は限られています。

睡眠を十分にとり、バランスの良い食事を心がける事。

また毎日の食事では、動物性脂肪の摂取を控えたり、何らかの要因で起きる不調を抑える効き目が知られているEPA（n-3系不飽和脂肪酸）を含む青魚やえごま油などを摂取するように心がけたり。

農研機構では2001年より「べにふうき茶」に多く含まれるメチル化カテキンの特性に注目し、全国で花粉によるムズムズに苦しんでいる人に、日常的に摂取でき、しかもフィードバックの心配が少なく、つらい不調をできるだけ軽くするをテーマに研究。

とある試験でも通年性の不調（なかなか良くならない慢性的な皮膚の不調や何らかの要因による鼻炎）の他、季節性の不調（花粉によるものも）に対する効き目も確認されたと、報告をしています。

同じ効き目がある甘茶やドクダミ茶を日常生活の飲料として摂取したり、黒にんにくなど、カラダの抵抗する力を強くする為の食材を摂取するなど、生活に簡単に取り入れられる食材を継続する事で、快方に向かうほか、事前に防ぐことも期待されています。